ドミニカ共和国のブルーアンバー

ドミニカ共和国産ブルーアンバー自然な輝きを持つ球形ブルーアンバードミニカ共和国産のアンバーの中で、最も目にする機会の多いものは蜂蜜色をしたものでしょう。赤色や緑色となると比較的珍しくなりますが、中でも青色の「ブルーアンバー」は大変希少価値の高いものです。

このアンバーにはブルーという名がついていますが、石塊そのままの状態では青色には見えません。しかし、黒など濃い色をした下地の上に石を置いてみると、まるで魔法にかけたかのように、表面に青色の光が現われるのです。

研磨済ブルーアンバー私が最近ドミニカ共和国を訪れたのは2013年の終わりのことですが、私はその時初めて、不純物を一切含まぬ非常に透明度の高い、まさに「宝石級」と言える、小さな球形カットのブルーアンバーを見ることが出来ました。そして、世界でも唯一無地の存在であるこのブルーアンバーをめぐったビジネスが猛スピードで発展していく様を目にしたのです。

なぜこのような青色が観察できるのか、また、なぜ紫外線に当てるとはっきりとした蛍光性が見られのかについては、様々な説があります。ある科学者たちが言うところでは、火山噴火や山火事などによって、まだ温度の低かった樹脂が高温にさらされたことにより、この魅惑的で美しい色彩現象が出来あがったのだろうとしています。近年の研究で、この青色は「ペリレン」という多環芳香族炭化水素に起因するものだと分りました。この成分によってブルーアンバーは大変特徴的な青色の蛍光性を放つのです。

最も美しいブルーアンバーは、ドミニカ共和国サンティアゴ島の中央部にある、Los Cacaos鉱山から産出します。

ブルーアンバーの鉱山採掘この地の地主たちは、コーヒーやカカオなど様々なプランテーションによってそれぞれの領地を発展させていましたが、彼らが偶然にもブルーアンバーを発見すると、その収入は爆発的に膨れ上がったのでした。

この地では、アンバーの鉱床を求めて、深さ何十メートルにもなる垂直の穴が多数掘られています。

私は、鉱山の近くにある村でアンバーの取引の場に同席することが出来ました。小さな家の裏庭で、人目を引く4つの椅子、アンバーの塊が詰まった黒いビニール袋が地面に置いてあります。ピストルを携えた「アンブレロス(ambreros)」たちが、ビニール袋から戦利品であるアンバーを水の入った容器へと出します。これは、緑から青といったこの土地特有のアンバーの色彩を良く識別できるようにするためであり、色の具合によっては価格に10倍の差が出ることもあるのです。

ドミニカ共和国のブルーアンバー鉱山ブルーアンバーの価格は、ここ5年間で上がり続けるばかり。ついには「青の宝石」と呼ばれるほど高価なものになりました。

そしてバイヤーとの売買交渉が始まります。計量、汚れ落とし、値切り交渉…。取引が成立すると、バイヤーは手に入れたアンバーと共に去っていきます。一度に何百万ドルオンスもの大金が現金で取引されるのです。

ここ数年は、サンドミンゴや鉱山付近で中国人とすれ違うことが増えました。彼らは本当にブルーアンバーに心酔しており、中にはジェードに取って代わりつつあるという中国人もいるほどです。これが本当かは分りませんが、今ではブルーアンバーがジェードと価格を競うほど高価なものになっていることは確かでしょう。